
以前は携帯電話を契約する際に、家族全員を同じ通信事業者にすることが多かった。最大で基本使用料が、半額程度になったからだ。ところが、事業者同士の競争の結果、2年契約さえすれば、最初から基本使用料が半額になる割引制度が定着。徐々にではあるが、家族の中で、異なる通信事業者を使うことが増えていった。親はNTTドコモなのに、子供は学割やiPhoneにひかれてソフトバンクにするといったようなケースが出てきたというわけだ。結果として、通信事業者が重視する解約率も、少しずつではあるが上昇傾向にあった。
解約は、利用者の減少につながる。「利用者数×平均利用料」が収益に直結する通信事業者は、これを何としても下げたいというのが本音だ。こうした状況に対応するために生まれたのが、「家族でデータ通信量をシェアする」という料金プランとなる。もちろん、単にシェアできるだけでなく、合計での料金は家族が別々に契約するよりもお得になる。利用者としては、検討してみる価値がある。
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石野純也
ケータイジャーナリスト
1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。