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膨張する医療費 壁は高いが制度改革が必要だ

平野英治・メットライフ生命副会長・元日銀理事
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 厚生労働省は、100歳を迎える全ての国民に記念品として贈る銀杯の予算を半分に削減する。来年度から、銀杯は純銀製ではなくニッケルと亜鉛の合金に銀メッキを施したものとなる。

 なぜだろうか? 100歳を迎える高齢者の人口が増え続け、銀杯を授与する財政的な余裕がなくなったためだ。100歳以上の人口は2014年9月時点で5万8820人。旧国立競技場の観客席を埋め尽くしてもまだ余る。銀杯が初めて贈られた1963年の授与対象者は約150人だった。

 日本人の平均寿命は世界一であり、誇るべきことである。しかし、銀杯の例に見られるように、長生きにはさ…

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平野英治

メットライフ生命副会長・元日銀理事

1950年生まれ。73年、一橋大学経済学部を卒業後、日本銀行に入行。33年あまりの勤務で国際局長や国際関係担当理事を歴任した。金融政策、国際金融の専門家で、金融機関の監督にも手腕をふるった。2006年に日銀理事を退任後、トヨタ自動車グループのトヨタファイナンシャルサービス株式会社に転じ、14年6月まで副社長を務めた。同年9月、メットライフ生命保険日本法人の副会長に就任。経済同友会幹事としても活動している。