米カリフォルニア州の福祉施設で起きた銃乱射事件の犠牲者に向け、メッセージを捧げるイスラム教徒の女性ら=2015年12月6日、長野宏美撮影
米カリフォルニア州の福祉施設で起きた銃乱射事件の犠牲者に向け、メッセージを捧げるイスラム教徒の女性ら=2015年12月6日、長野宏美撮影

グローバルWorld Watch(ワールド・ウオッチ)

米国で広がるシリア難民排斥の「過剰反応」

及川正也 / 論説委員

 「狂犬病の犬を近づけるな」「日系人強制収容所を思い出す」「イスラム教徒は登録を」。オバマ米政権のシリア難民政策を巡る議論で、過激な言葉が飛び交っている。パリ同時多発テロをきっかけに始まった「難民排斥」とも言える動きは、多様性を美徳とし、人道支援に熱心な米国の有りようとも絡んで、物議を醸している。

 端緒は、パリ同時多発テロの自爆犯の遺体の近くからシリア難民のパスポートが見つかったことだった。これを機に、オバマ大統領の今後1万人のシリア難民受け入れ計画への不満が噴出した。

 素早く反応したのは、移民政策に厳しい共和党だ。2016年大統領選の指名争いに出馬している元神経外科…

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及川正也

及川正也

論説委員

1961年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。88年毎日新聞社に入社。水戸支局を経て、92年政治部。自民党下野から自社さ政権、野党再編などを経て民主党政権に至る激動の日本政界を20年余り追い続けた。2005年からワシントン特派員として米政界や外交を取材。13年北米総局長。16年4月から論説委員。