
老朽化したマンションの建て替えは簡単には行えない。容積率に余裕があればこれまでより大きな建物にでき、余剰住戸を一般に分譲することで建設費を捻出。元からの住人は1円も出さず、新しいマンションに移り住むことができた。
延命すれば100年マンションに
これは初期のマンションに限った話。多くのマンションは、建て替えで余剰住戸が生じない。だから、一戸建てと同様、自分たちで建て替え資金を出し合わなければならない。その額は平均的な3LDKで2500万円以上とされる。それだけのお金を全住戸が出すことができないと、建て替え計画は暗礁に乗り上げる。
建て替えられず廃虚になるのを待つか、全員でお金を出し合い、建て替えるか。この二つしか選択肢がなく、結論を先延ばしにしているマンションが増えているのだ。その解決策として、第3の選択肢が生まれた。それは、建て替えではなく、延命という方法だ。
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櫻井幸雄
住宅ジャーナリスト
1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。
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