(c)2015Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.12月18日(金)18時30分全国一斉公開
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社会・カルチャー週末シネマ

10年ぶりスター・ウォーズ 新たな伝説をつくるか

勝田友巳 / 毎日新聞学芸部長

新作「スター・ウォーズ フォースの覚醒」

 いくら続編ばやりのハリウッドでも、前作から10年もたった新作がこれほど話題になる映画は他にない。ファンでもそうでなくても、気になるに違いない。

 公開1年も前から話題作りが始まり、内容は極秘のまま、出演者の顔ぶれと思わせぶりな予告編、イメージだけで持たせてしまったのは、やはり別格だ。期待を高めるだけ高める戦略は、それだけ自信があるということだろう。

銀河をめぐる壮絶な戦い再び

 その映画だが、まずは合格点。生みの親ジョージ・ルーカスからバトンを受け継いだJ・J・エイブラムス監督の、重責をこなした力量は大したものだ。スカイウォーカー家のサーガという枠組みに、使い方次第で善にも悪にもなる「フォース」が引き起こす銀河戦争という物語性は揺るがない。

 第1期3部作の最終話「エピソード6」の30年後、銀河帝国の流れをくむストーク率いる「ファースト・オーダー」が、銀河の支配をもくろむ。そのよこしまな野望を阻止するべく、抵抗勢力が戦いを挑んでいる。

 懐かしい顔ぶれが勢ぞろい。レイア姫(抵抗勢力の将軍となり、姫と呼ばれていない)、ハン・ソロ(すっかり年はとったけれど、元気いっぱい)とその相棒チューバッカ(全然変わってない)。2人が操る宇宙船ミレニアム・ファルコンも、第1期3部作で死んだダース・ベイダーも、もちろん登場。そしてご安心を、ルーク・スカイウォーカーも健在だ!

あのレイアもハン・ソロもチューバッカも元気!

 物語はエピソード4から6と二重写しだ。焼き直しと言おうかオマージュと言おうか。砂漠でごみ拾いをしていたレイ(デイジー・リドリー)の元に、抵抗勢力が放ったドロイドBB-8が流れ着く。

 BB-8には、ファースト・オーダーとレイアが捜している、ルークの隠れ家を示す地図が託されていた。レイは戦いに巻き込まれ、フォースを目覚めさせていく。一方ファースト・オーダーでは、フォースの暗黒面に落ちたカイロ・レン(アダム・ドライバー)が、ストークの右腕となっている。ルークとR2-D2、ダース・ベイダーとルーク父子の因縁が、形を変えて繰り返される。

 ソロはレイアと再会し、2人の息子がカギとなる。ルークとソロを苦しめたデス・スターも、大きくなって再登場。宇宙空間の戦闘も存分に見せてくれる。いわば初心に戻り、新たな3部作の始まりを告げる。堂々たる横綱相撲である。

新3部作への新たなる希望

 配給が20世紀フォックスからディズニーに移り、あのフォックスファンファーレがおとぎ話のお城に置き換わるのかとファンをヤキモキさせたオープニングは、全部取っ払って解決した。

 問題はこの後。二番せんじはもうたくさん。残り2作でルークの役割、あっけなくフォースを覚醒させたレイの素性、レイと元ファースト・オーダー兵士フィン(ジョン・ボイエガ)とのロマンスの行方がどうなるのか。

 映画を太い柱と位置づけ、続編と関連商品で巨大な市場を築く商売上手のディズニーなら、興行成績次第で新々、新々々3部作まで作りかねない。待ち遠しい半面、不安も消えない。願わくば、映画史上の伝説の名を汚さぬようにしてほしい。

●出演:オスカー・アイザック、デイジー・リドリー、ハリソン・フォード、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャーほか。J・J・エイブラムス監督、136分。12月18日(金)18時30分全国一斉公開。

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勝田友巳

勝田友巳

毎日新聞学芸部長

1965年、茨城県出身。北海道大文学部卒。90年毎日新聞に入社し、松本支局、長野支局などを経て、東京本社学芸部。映画を担当して15年、新作映画を追いかける一方、カンヌ、ベルリンなど国際映画祭や撮影現場を訪ね、映画人にも話を聞いて回る日々。毎日新聞紙面で「京都カツドウ屋60年 馬場正男と撮影所」「奇跡 軌跡 毎日映コン70年」の、2本の映画史ものを連載中。

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