
なぜ資産形成が必要か(1)
恐らく、皆さんは子供の頃から、預貯金の大切さについては何度となく説かれたことがあるのではないでしょうか。
ここでいう預貯金というのは、ほとんどの場合において、銀行等に預けておくことを指すのが一般的です。皆さんの親世代は銀行等に預けておくだけで、ある程度の資産形成ができていたからこそ、預貯金の大切さを説かれるのでしょう。
金融商品で資産を運用する大きなメリットは、効率良くお金を殖やせることですが、それと共にもう一つ、大事な意味があります。それは、インフレに対する備えをすることです。インフレとは物価が上昇すること。仮にインフレ率が年2%なのに、預金の利率が年1%だったらどうなるのでしょうか。
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横山邦男
前三井住友アセットマネジメント社長
東京大学卒、1981年に住友銀行(現三井住友銀行)入行。日本郵政専務執行役、三井住友銀行常務執行役員を歴任し、2014年4月から三井住友アセットマネジメント社長、16年6月から日本郵便社長。住友銀行とさくら銀行の合併によるメガバンク誕生の際に腕を振るった金融界のビッグネーム。著書に「今こそはじめる資産形成」(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。