IT・テクノロジー知ってトクするモバイルライフ

初心者や2台目用「1万円台スマホ」のお得な使い道

石野純也 / ケータイジャーナリスト

 格安スマホと呼ばれる、MVNOで利用するSIMフリー端末だが、人によっては「高い」と感じるかもしれない。大手通信事業者が販売する端末とは異なり、端末に対する割引がほぼないからだ。たとえば、格安スマホとして人気の「ゼンフォン2レーザー」を買うとすると、3万円程度の出費を覚悟しなければならない。そのぶん、毎月の通信料が安いため、トータルでは格安スマホの方がお得になるが、端末を買うための初期費用が重いと感じる人もいるはずだ。

プリオリ3LTEやアップキューフォン、フリーズポップ

 できるだけ端末を安く買いたい−−最近では、そんなニーズに応えた機種も販売されている。注目したいのが、1万円台の機種。フリーテルの「プリオリ3LTE」やアップキューの「アップキューフォン」、コヴィアの「フリーズポップ」といった機種が、この価格帯のスマホだ。いずれも、格安SIMで使うことを前提にしており、SIMフリーとなる。

「1万円台スマホ」の市場を切り開いてきたフリーテルの「プリオリ3LTE」。シリーズ累計で10万台以上を販売している
「1万円台スマホ」の市場を切り開いてきたフリーテルの「プリオリ3LTE」。シリーズ累計で10万台以上を販売している

 1万円台とはいえ、機能はバカにできない。最近の機種は、その多くが高速通信規格のLTEに対応している。処理能力をつかさどる中央演算処理装置(CPU)も、頭脳にあたるコアを四つ持つものが採用されている。性能を測定するアプリで調査してみると、3、4年前の高機能端末と遜色ない性能であることが分かる。もちろん、カメラはきちんと搭載されているし、アプリのインストールも行える。ゲームなど、一部高機能なものは厳しいかもしれないが、大抵のアプリはきちんと動く。

最新機種に比べると見劣りする解像度や容量

 これだけできれば1万円台の機種でいいと思うかもしれないが、当然安いだけの理由もある。こうした機種の多くはディスプレーが小さく、解像度も高くない。画面を見れば分かるが、表示が粗いのは気になるところだ。パフォーマンスも最新の機種に比べれば見劣りする。アプリをインストールできるストレージの容量が少ないこともある。本体の質感もそこそこで、金属などを使った機種と比べると安っぽく見えてしまうかもしれない。

 また、この価格帯になると、極端な当たり外れも出てくるため、安物買いの銭失いにならないよう、注意したい。まず、安くてもLTEに対応していない機種は、長く使ううえで避けておいた方がいい。

 ドコモから回線を借りるMVNOで使う場合は、「FOMAプラスエリア」と呼ばれる通信方式にも注意したい。これは、いわゆるプラチナバンドと呼ばれるもので、800メガヘルツ帯の電波を使った通信。価格が安い機種ほど非対応になることが多くなるが、これがないと、地方などで電話ができなくなるおそれがある。

1万2000円の端末なら2年間で総額5万円

 購入時には、スペックの違いをしっかり確認しておくといい。値段相応の点があることを踏まえたうえで、欠点に目をつぶれるなら、買ってみる価値はある。1万2000円の機種を24カ月、MVNOで使ったとしよう。3ギガバイトのプランに入ると、月額料金は1600円。2年間で3万8400円になる。1万2000円の機種代を入れても、料金は2年間で約5万円で済む。

女性社長が起こしたベンチャー企業アップキューのスマホも1万円台。ポップなカラーリングが魅力の機種だ
女性社長が起こしたベンチャー企業アップキューのスマホも1万円台。ポップなカラーリングが魅力の機種だ

 メインで使う機種にせず、予備のスマホとしてい使う手もある。格安SIMは大手通信事業者に比べると、サポートが手薄だ。大手通信事業者だと故障修理時に借りられる代替機も、用意されていない。そのため、普段使っている機種を壊してしまうと、通信ができなくなる。1万円台の機種を、そんなときの「ピンチヒッター」にすれば、ダメージを軽減できる。

 子どもに使わせるスマホとしても、悪くない金額だ。LINEのようなメッセージアプリをインストールして、スマホを使ってなかった親に渡してもいい。スマホにしてみたいけど、使う機能はそんなに多くない。1万円台のSIMフリースマホは、そんな人に向いている機種と言えるだろう。

<「知ってトクするモバイルライフ」は、毎週火曜日に掲載します>

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石野純也

石野純也

ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。

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