
晩産化と不妊治療(1)
日本の女性が第1子を産む平均年齢は30.6歳。若いうちに子どもを産み育てることが難しくなり、不妊治療を受ける人が増えています。今回は、不妊治療とお金の問題を扱います。
3人に1人は200万円以上を支出
現在、赤ちゃんの約4人に1人は35歳以上の母親から産まれています。不安定な雇用やキャリアのために、出産を先延ばしした女性も少なくないでしょう。35歳を過ぎてから運よく、すぐ出産できる人もいますが、妊娠しにくくなる人の割合は増えます。
不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は、20〜40代夫婦の6組に1組と言われています。日本産科婦人科学会によれば、2013年に国内で行われた体外受精の件数は約37万件で、10年前の3倍以上に増えました。
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藤田結子
明治大商学部教授
東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。
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