「auの学割」は
「auの学割」は"25歳までずっと"毎月5GBを無料追加できる

IT・テクノロジー知ってトクするモバイルライフ

中学生も顧客に 携帯3社の「スマホ学割」競争

石野純也 / ケータイジャーナリスト

 総務省が大手通信事業者に低容量の料金プランを作ることを要請し、それに沿ってソフトバンクが1ギガバイト(GB)のデータパックを作った一方で、利用者の使うデータの量は年々増加している。平均ではすでに3GB前後だが、この数値を引き上げているのが学生を中心とした若者だ。スマホで動画を見たり、ゲームをしたりとアクティブに活用することもあり、月末が近づくと、データ量が足りなくなることも多いという。こうしたユーザーの声を受け、大手通信事業者はこの春、「学割」を強化した。

「25歳まで5GB無料追加」か「3年間6GB無料追加」か

 口火を切ったのはソフトバンクで、1月9日に「ギガ学割」を発表。25歳以下の利用者には、3GBのデータを3年間追加する特典を明らかにした。同日、これに対抗したのがau。「auは学生さんに愛されたい」(田中孝司KDDI社長)と若年層を重視する方針を打ち出し、5GBを25歳までずっと追加し続ける学割を発表した。期間限定ではないのがインパクトの大きなところで、中学生になってすぐに契約すれば、13年間もこの特典が継続される計算になる。

 このauの発表を受け、ソフトバンクはギガ学割の特典内容を即座に見直し、3GBから6GBへと倍増させた。NTTドコモの学割もこれにならい、3年間6GBが付与される形となっている。従来は料金の値引きが中心だった学割だが、今年はデータ量の追加がトレンドになっているというわけだ。3社とも、1GBは1000円で追加できるが、元々データ量が足りなかった若年層にはお得な特典と言えるかもしれない。

1月9日に「ギガ学割」を発表したソフトバンク。その後、auの新しい学割プランの発表を受け、毎月追加するデータ量を3GBから6GBに増やした
1月9日に「ギガ学割」を発表したソフトバンク。その後、auの新しい学割プランの発表を受け、毎月追加するデータ量を3GBから6GBに増やした

名称は「学割」だが、事実上の「若者割引」

 また、3社とも「学割」とうたいながらも、学校に通っていることは条件にしていない。事実上の「若者割引」であると考えていいだろう。

 データ量の追加だけでなく、割引も行われる。ドコモであれば最大12カ月、カケホーダイの基本使用料が1300円、カケホーダイライトプランの基本使用料が800円安くなる。auは、データ定額から1000円割引かれる。ソフトバンクは、割引かデータ増量の選択制。ホワイトプランの基本使用料0円もしくは通話し放題の「スマ放題」「スマ放題ライト」が、毎月1620円割引かれる。

 学割は、その家族も恩恵を受けることができる。若年層の利用者を起点に、家族も一緒の通信事業者にしてもらいたいというのが、3社に共通する狙いだからだ。たとえば、ドコモであれば、増量されたデータ量は家族と分け合えるしくみになっている。必ずしも本人が必要としていなくても、データ量を増やしてもらえるのでお得感がある。ソフトバンクは、家族が新規契約をすれば、3GBが追加でもらえる。

KDDIが調査したスマホのデータニーズ。若年層ほどデータ通信を大量に使う傾向にある
KDDIが調査したスマホのデータニーズ。若年層ほどデータ通信を大量に使う傾向にある

データ追加学割は5GB以上のプランが条件

 学割の利用には、新規契約か番号ポータビリティー、機種変更が必要になる。既存の契約者が、自動的に適用されるわけではない点には注意が必要だ。また、データ量の増量については、適用される料金プランが限られている。各社とも、条件を5GB以上のプランに設定しており、学割がつくから最低容量のプランに変更するということはできない。あくまで、10GBのように、大量のデータ通信をする人が得をするキャンペーンなのである。

 10〜11GB使えて、料金は7000円程度で済むのは割安と言える。通常であれば、1万円以上かかってしまうからだ。

「格安業者」のプランは学割よりもっと安い

 もっとも、最近では大手通信事業者から回線を借りるMVNOも、大容量プランを充実させてきている。たとえば、IIJmioの「ファミリーシェアプラン」を1人で使えば、料金は3260円と通話料がかかるだけ。mineoも、3220円(ドコモ回線)、3130円(au回線)の10GBプランを始めた。学割がない通常の利用者ほど差はないが、それでも半額以下になる。もちろん、端末購入に伴う割引がないなど、条件が異なるため大手通信事業者のプランと一概には比較できないが、学割以外にも、こうした手で安価に大容量のデータ通信を利用できることは知っておいた方がいいだろう。

 <「知ってトクするモバイルライフ」は、毎週火曜日に掲載します>

経済プレミア・トップページはこちら

石野純也

石野純也

ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。

イチ押しコラム

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
地下化されたワルシャワ中央駅上の広場。スターリン建築と民主化後のビルが林立する(写真は筆者撮影)

西に移動させられた国ポーランド 首都ワルシャワの今

 ◇ポーランド・ワルシャワ編(1) 36年前、高校の文化祭のディベートで、「史上最大の英雄は誰か」というお題に、「ポーランドで共産…

メディア万華鏡
週刊文春11月1日号

メディア騒がすドタキャン沢田研二の「格好いい老後」

 騒ぎ過ぎじゃないか。取り上げ方の息もなんだか長い。ジュリーこと沢田研二さん(70)が、10月17日にさいたまスーパーアリーナで予…

職場のトラブルどう防ぐ?

「部下の夫から連日クレーム」42歳女性上司の困惑

 A美さん(42)は、夫が院長を務めるクリニックの事務長を務めています。2カ月前から経理担当として働いているB子さん(33)の夫か…

ニッポン金融ウラの裏

進む「キャッシュレス化」誰が責任を負っているのか

 キャッシュレス決済を巡る論議が高まり続けている。政府も外国人旅行者の増大を踏まえて、キャッシュレス化推進の旗を振り続けている。社…

知ってトクするモバイルライフ
デザインや機能を一新した「iPadプロ」。左が11型、右が12.9型

新「iPadプロ」はホームボタンなくして超高性能

 アップルは、米ニューヨークで10月30日(現地時間)、「iPadプロ」の新モデルを発表した。11月7日に発売される予定で、価格は…