海外特派員リポート

AIIB開業で生中継しなかった中国中央電視台

井出晋平・毎日新聞経済部副部長(前北京特派員)
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アジアインフラ投資銀行(AIIB)の本部が入居するビル=北京市内で2016年1月17日、井出晋平撮影
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の本部が入居するビル=北京市内で2016年1月17日、井出晋平撮影

 中国が主導して設立したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の開業式典が1月16日、北京で開かれた。2013年秋の習近平国家主席の設立提唱から開業まで、中国が国際金融機関を設立する一連の過程を取材したが、もともと情報統制が厳しい国。取材は苦労の連続だった。

日本のメディアは開業式典の取材で厳しい制限が

 まず、情報が錯綜(さくそう)した。当初、中国政府はAIIBの参加申請期限を公表していなかった。だが、15年3月に英国が参加表明して以降、申請期限を同3月31日に設定。駆け込み申請が相次いだ。しかし、参加申請した国が申請を発表しても、受け付けた中国側の公表が遅れるケースがあり、結局、同4月15日に発表されるまで参加国の総数が分からなかった。

 また、ガードも堅かった。同4月に北京で開かれた参加国の首席交渉官会合は、場所も日程も非公開。なんと…

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井出晋平

毎日新聞経済部副部長(前北京特派員)

1975年、長野県生まれ。慶応義塾大文学部卒。98年毎日新聞社入社。神戸支局、富山支局を経て大阪本社経済部で電機、繊維・薬品、電鉄業界などを担当。2009年4月に東京本社経済部に移り、金融庁、商社・流通、日銀などを担当し、12年4月から中国総局。16年4月から経済部。30歳から中国語の勉強を始め、台湾に短期留学した。