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「逆命利君」不在で東芝1万人リストラの憂き目

編集部
不正会計問題で歴代3社長らの提訴を発表した日の会見で、平田政善常務(右)は決算内容に限定して質疑に応じた=2015年11月7日、徳野仁子撮影
不正会計問題で歴代3社長らの提訴を発表した日の会見で、平田政善常務(右)は決算内容に限定して質疑に応じた=2015年11月7日、徳野仁子撮影

 東芝は不正会計が表面化した後の広報対応や情報開示に問題があった。安田生命(現明治安田生命)で17年間広報を担当した企業広報の専門家で、今はNPO法人「広報駆け込み寺」の三隅説夫代表に、何が原因だったのかを3回に分けて聞いた。【聞き手・今沢真経済プレミア編集長、写真・亀井和真】

広報駆け込み寺・三隅説夫さんインタビュー(1)

 −−東芝の不正会計事件は、利益を水増しした中身もそうですが、広報対応や情報開示の姿勢にも批判が集まりました。三隅さんはNPO法人広報駆け込み寺で「広報対応のあるべき姿」を主張されてきました。東芝の広報のどこに問題があったと思われますか。

 ◆三隅説夫さん この問題は、広報対応以前の話だと思っています。ひと言で言うなら「企業風土」です。その企業風土をつくるのはトップですから、これはトップの問題だと思います。残念なのは、不正会計そのものと広報対応について、トップに対し勇気を持って「おかしいんじゃないか」と言える雰囲気がなかったことです。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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