
素泊まり1万500円(税込み)〜
日が昇る前に外に出る。川沿いを軽く走り、次第に東の空が青みを帯びるのを眺めてから、ホテルに戻る。冷えた体を大浴場で温めながら考えていた。
夕刻から朝にかけて、これほど充実した時間を過ごせるホテルも珍しいのではないだろうか。
多摩川沿いの立地という印象が強かったせいだろう。水と緑に囲まれた郊外型高層ホテルをイメージしつつ現地に向かうと、渋谷からわずか11分で二子玉川駅まで着いてしまった。駅からは徒歩5分。駅前から地上30階建ての建物は見えているので、さらに近く感じられる。ここはむしろ「都市型」高層ホテルなのだと考え直した。
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紀行作家、一級建築士
1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)
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