海外特派員リポート

福島事故後も原発新設を進める英国に変化の兆し?

坂井隆之・統合デジタル取材センター副部長(元ロンドン特派員)
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英議会の一室で開かれた原発を考える集会=2016年1月28日、坂井隆之撮影
英議会の一室で開かれた原発を考える集会=2016年1月28日、坂井隆之撮影

 東京電力福島第1原発の事故から、まもなく5年になる。事故は原発のリスクを世界に再認識させ、特に先進国での原発離れを加速させた。欧州ではドイツ、スイスが「脱原発」の方針を明確化したほか、原発大国フランスも、オランド政権は原発への依存度を下げることを約束した。

 そうした流れの中で、数少ない例外と言えるのが英国である。キャメロン政権は、エネルギー不足と地球温暖化に対処する切り札として、原発を国内6カ所以上で新設する方針を打ち出している。

 2012年にはフランス電力公社(EDF)が英国で25年ぶりとなる新設の許可を受けたほか、日立製作所、東芝もそれぞれ英国内の事業体を買収し、原発新設に向けた手続きを進めている。福島の事故後の世界的な需要後退に悩む原発業界にとって、英国は救いの手ともいえる状況だ。

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坂井隆之

統合デジタル取材センター副部長(元ロンドン特派員)

1972年、京都市生まれ。広島大学大学院修了。98年毎日新聞社入社。千葉支局を経て、2003年から経済部で日銀、金融庁、財務省などを担当。12年~16年、欧州総局(ロンドン)特派員として、欧州、中東、ロシア、アフリカの経済ニュースをカバーした。20年4月から現職。共著に「AIが変えるお金の未来」(文春新書)など。