
主人公のマルグリットは、オペラ愛好家で歌うのが大好き。ただ残念なことに、まったくの音痴で、自分ではそれに気づいていない。盛大に音を外しているのに自信満々の歌いっぷり、大笑いである。
でもこれは、哀れな勘違い女を笑うだけの映画ではない。マルグリットは才能のかけらもないけれど、音楽を愛することは誰にも負けず、情熱を傾ける。そんな彼女を追いかけるうちに笑えなくなり、「うまい」ってどういうこと?と考えさせられる。フランスのほろ苦い悲喜劇である。
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