「偉大なるマルグリット」の1シーン
「偉大なるマルグリット」の1シーン

社会・カルチャー週末シネマ

音痴で金持ちでオペラ好き「偉大なるマルグリット」

勝田友巳 / 毎日新聞学芸部長

 主人公のマルグリットは、オペラ愛好家で歌うのが大好き。ただ残念なことに、まったくの音痴で、自分ではそれに気づいていない。盛大に音を外しているのに自信満々の歌いっぷり、大笑いである。

 でもこれは、哀れな勘違い女を笑うだけの映画ではない。マルグリットは才能のかけらもないけれど、音楽を愛することは誰にも負けず、情熱を傾ける。そんな彼女を追いかけるうちに笑えなくなり、「うまい」ってどういうこと?と考えさせられる。フランスのほろ苦い悲喜劇である。

この記事は有料記事です。

残り1218文字(全文1439文字)

勝田友巳

勝田友巳

毎日新聞学芸部長

1965年、茨城県出身。北海道大文学部卒。90年毎日新聞に入社し、松本支局、長野支局などを経て、東京本社学芸部。映画を担当して15年、新作映画を追いかける一方、カンヌ、ベルリンなど国際映画祭や撮影現場を訪ね、映画人にも話を聞いて回る日々。毎日新聞紙面で「京都カツドウ屋60年 馬場正男と撮影所」「奇跡 軌跡 毎日映コン70年」の、2本の映画史ものを連載中。

イチ押しコラム

知ってトクするモバイルライフ
プライバシー重視の方針を打ち出すアップル。開発者向け会議でもプライバシーに関してはたびたび言及される(写真は2018年6月のアップルの年次開発会議<WWDC>)

アップルが「GAFA」一括りにされるのを嫌がる理由

 総務省は、電気通信事業法の「通信の秘密」の規定を、巨大なプラットフォームを持つ海外のIT企業にも域外適用する方向で検討を進めてい…

ニッポン金融ウラの裏
 

キャッシュレス化20%「日本は遅れてる」はホント?

 「デジタルマネー」が引き続きホットな話題となっている。政府が推進するキャッシュレス化社会の流れに沿った議論だ。だが、さまざまな官…

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
ユジノサハリンスク市街でのイベントにいた着ぐるみ。ちょっと不気味なところがロシア的?(写真は筆者撮影)

サハリン「ユジノサハリンスク」旧樺太の地の今は

 ◇ロシア・ユジノサハリンスク編(1) ロシア・サハリン州の、州都ユジノサハリンスク(日本語にすれば「南サハリン市」)。成田空港か…

職場のトラブルどう防ぐ?
 

転職する27歳男性が驚いた「最後の給与」の手取り額

 A太さん(27)は4年間勤務した会社を3月末に退職し、4月から新しい会社に転職して1人暮らしを始めます。転職は大学の先輩に誘われ…

メディア万華鏡
 

「準強制性交」の罪名に感じる司法の“男性バイアス”

 「薬飲ませ女性暴行の疑い 昭和大の医師2人、容疑否認」「田畑毅議員が辞職願 衆院に提出 女性とトラブル」「新井浩文被告 500万…