戦国武将の危機管理

蔵米販売をプロに任せた前田利家の「すごい」蓄財術

小和田哲男・静岡大学名誉教授
  • 文字
  • 印刷
名古屋市・荒子駅前に建立された前田利家の初陣像=2012年8月29日、佐々木順一撮影
名古屋市・荒子駅前に建立された前田利家の初陣像=2012年8月29日、佐々木順一撮影

 戦国時代はその名の通り、戦いが日常的にくり返されていた。戦いには当然のことながら金がかかるわけで、戦国武将たちは富国強兵を心がけていた。戦費が底をつき、兵や武器を備えることができなければ、まさに危機的状況を迎えてしまうからである。

 織田信長の家臣で、その後、豊臣秀吉の時代には五大老の一人となった前田利家は日ごろから蓄財に心がけていた武将として知られている。利家の場合、蓄財の基本となったのは領内から徴収する年貢である。年貢をきっちり徴収するためには検地が必要ということになるが、検地が実施できる速さには限りがあり、ふつうは何年もかかった。

この記事は有料記事です。

残り1101文字(全文1372文字)

小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com