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震災5年 災害時に使えるITサービスを知っておく

林信行・ITジャーナリスト
東日本大震災で避難所になった陸前高田市の中学校体育館。被災した人たちは食料や日用品と一緒に情報を求めていた=2011年5月
東日本大震災で避難所になった陸前高田市の中学校体育館。被災した人たちは食料や日用品と一緒に情報を求めていた=2011年5月

 日本の運命を大きく変えた東日本大震災から5年がたった。このことを踏まえて、今回は少しビジネスの話から離れた話題を取り上げる。この5年でITサービスが震災などの自然災害に対してどのような進化を遂げているのか、改めて見直してみたい。

災害時の安否確認ツール「パーソンファインダー」

 東日本大震災の教訓を生かし、次の災害にどう備えるか。大型災害直後、多くの人は近親者や友人知人の安否を確認したいと考える。東日本大震災の時には、米IT大手グーグルが「Person Finder」(パーソンファインダー)というサービスを臨時に提供し、多くの安否情報が登録された。日本で初めてモバイル端末にも対応した。

 パーソンファインダーの使い方はこうだ。被災した人が自分の安否を誰かに知らせたい場合、「安否情報を提供する」の画面で自分の名前を登録し、名前のよみがな、自宅住所、携帯電話番号、写真などの詳細情報を入力する。これで、自分の識別情報ページが生成される。

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ITジャーナリスト

1967年生まれ。アップルやグーグルの動向や技術、製品を継続的に取材対象としており、情報技術分野のテクノロジーに明るい。近年は、自動車やファッションなどのさまざまな業界におけるIT活用の取り組みに関心を持ち、人々の暮らしや社会にもたらす変化をテーマとしている。著書多数。