切ない歌を探して

「卒業写真」を聴いて、卒業アルバムを開いてみる

森村潘・ジャーナリスト
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卒業したあと、人はどんどん変わっていく……=大学の卒業式で
卒業したあと、人はどんどん変わっていく……=大学の卒業式で

 若かったころに思いをはせる、昔はよかったとつぶやく−−それだけならただのノスタルジーだが、「あのころと比べて自分はずいぶん変わってしまったなー」という寂しさが交じると、気持ちは複雑だ。「卒業写真」はそんな心を歌っている。

 人によって「切ない歌」はさまざまあるが、「切ない歌というと、どんな歌を思い出しますか」と尋ねたとき、何度かあがった曲名が、荒井由実作詞、作曲の「卒業写真」だった。

 この歌が年配の人から若い人までよく知られているのは、卒業シーズンに歌いつがれたからだろう。「みんなで一緒によく歌いました」と、10代のころを懐かしむ女性の声も聞いた。

 ユーミンがまだ荒井由実だったころの1975年に発表した、3枚目のアルバム「COBALT HOUR(コバルトアワー)」に収められている。当時21歳の彼女が、サビの部分で「人ごみに流されて 変わってゆく私を……」と声を張り上げたときの、鼻にかかった独特の歌い方を思い出すファンも多いだろう。

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森村潘

ジャーナリスト

大手新聞、雑誌編集などを経てコミュニティー紙の編集などに携わる。ジャンルを超えて音楽を研究、アメリカ文化にも詳しい。