街の文化漂う 秘蔵の宿 フォロー

牧場野菜に競馬カクテル ホテルコンチネンタル府中

稲葉なおと・紀行作家、一級建築士

素泊まり3450円(税抜き)〜

 ホテルから徒歩わずか1分の府中駅は、京王線を利用して新宿まで最短で22分だ。

 府中と聞いて「競馬」を思い浮かべるひとも多いだろう。東京競馬場が近いことから、競馬関係者や競馬ファンからも支持を得ているというが、立地の特質は競馬場にとどまらない。

 目を引くのは、府中の森芸術劇場や味の素スタジアム利用者の宿泊だ。定宿にしているスポーツ関係者も多いという。中央自動車道のインターも近いことから、富士山観光を楽しむ外国人客の利用も増えている。

 立地の魅力に加えて、ここでは他では見られない個性的な食のサービスがある。大型シティーホテルであればまだしも、シングルルームが中心の総客室数117室のホテルで、これほどさまざまな飲食体験ができるのは珍しい。

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紀行作家、一級建築士

1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)