戦国武将の危機管理

リストラなき財政再建を果たした伊達政宗

小和田哲男・静岡大学名誉教授
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仙台市・青葉城跡にある「伊達政宗公騎馬像」=2016年3月20日、今沢真撮影
仙台市・青葉城跡にある「伊達政宗公騎馬像」=2016年3月20日、今沢真撮影

 伊達政宗は慶長5(1600)年の関ケ原の戦い直前、58万石だった。政宗を何としても自分の陣営に取りこみ、上杉景勝への押さえとしたいと考えた徳川家康は、大幅な加増を約束し、政宗を味方とした。そのときの家康からの約束手形が「百万石のお墨付き」といわれるものである。

 関ケ原の戦いに勝利すれば、政宗に陸奥国の刈田・伊達・信夫・田村・二本松・塩松・長井の7カ所を与えるというもので、この7カ所の石高合計はおよそ50万石だった。つまり、それまでの58万石に50万石がプラスされ、政宗は一躍100万石大名になるわけで、その約束手形は「百万石のお墨付き」といわれたのである。

 そこで政宗は100万石にみあう軍役を果たすべく新たに家臣を採用したわけであるが、思わぬ勇み足から約…

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小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com