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訪日観光3000万人がもたらす人と人との国際理解

平野英治・メットライフ生命副会長・元日銀理事
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 訪日外国人旅行者数が昨年、45年ぶりに出国日本人数を上回った。とりわけ中国をはじめとするアジアからの観光客の伸びは著しく、中国人だけで500万人近くに上るようだ。この中国人を中心とした外国人観光客の「爆買い」の経済効果が注目されるが、訪日外国人観光客の増加の意義は、もっと幅広い観点から捉える必要がある。

 少し昔話になるが、1985年のプラザ合意以降の円高基調で海外旅行ブームが始まるまで、多くの日本人にとって外国は「異国」で「異質なもの」であった。それは相手国側も同様であり、米国のロックフェラーセンターを買収するなど日本の「爆買い」が極まるにつれ、日本異質論、日本たたきが強まった。日本人はバブル景気の勢いのまま、外国でも我が物顔に振る舞っていた点は確かにあった。

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平野英治

メットライフ生命副会長・元日銀理事

1950年生まれ。73年、一橋大学経済学部を卒業後、日本銀行に入行。33年あまりの勤務で国際局長や国際関係担当理事を歴任した。金融政策、国際金融の専門家で、金融機関の監督にも手腕をふるった。2006年に日銀理事を退任後、トヨタ自動車グループのトヨタファイナンシャルサービス株式会社に転じ、14年6月まで副社長を務めた。同年9月、メットライフ生命保険日本法人の副会長に就任。経済同友会幹事としても活動している。