職場のハラスメントどう防ぐ?

妊娠・出産を理由にした降格は違法だと知っていますか

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 女性の社会進出が進み、政府も女性活躍に関する政策を積極的に推進しています。一方、職場では「マタハラ」をはじめ、セクハラやパワハラなどのハラスメント(嫌がらせ)問題がたびたび起こっています。さまざまな立場の人が働く職場をまとめる管理職やリーダーにはハラスメントに関する知識や対策が求められる時代です。特定社会保険労務士の井寄奈美さんが、職場のハラスメントについて解説します。

 「マタハラ」が一気に世間で認知されたのは、2014年10月のマタハラ訴訟最高裁判決からでしょう。妊娠して軽易業務への転換を求めた病院勤務の女性が、部署異動の際に降格されたことにつき、「降格は男女雇用機会均等法に反する」として、病院に賠償を求めた裁判でした。最高裁は「妊娠中の軽易業務転換を契機として降格させる事業主の措置は原則として均等法に違反する」という判断を初めて示し、ニュースで大きく報道されました。

 マタハラとは、妊娠・出産に関係する女性に対するハラスメント行為を指す言葉です。働く女性が妊娠・出産を理由とした解雇・雇い止めをされることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的な嫌がらせのことです。

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/