切ない歌を探して

青春の別れをまっすぐに歌った「なごり雪」

森村潘・ジャーナリスト
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満開の桜の上に降り積もる季節外れの雪
満開の桜の上に降り積もる季節外れの雪

 三陸海岸が大震災に襲われるよりはるか前のこと。ちょうど今ごろの季節、旅の途中で降りた宮古駅で見た光景が忘れられない。

 そろそろ発車しようかという列車を横に、ホームに若い男女が立っている。言葉を交わしたあと彼女の方が乗り込んだ。雪がぱらついていた。春になって新しい生活がはじまり、一人は田舎をあとにしたのだろうか。そんな想像をめぐらしていた。「なごり雪」という歌がつくられてしばらくしてからのことだった。

 −−別れの春、季節外れの雪がホームに降る。時の流れのなかで、いつのまにか大人になってきれいになった君がいま、ふるさとへ帰ってゆく。つらい別れだが見送るしかない。

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森村潘

ジャーナリスト

大手新聞、雑誌編集などを経てコミュニティー紙の編集などに携わる。ジャンルを超えて音楽を研究、アメリカ文化にも詳しい。