20年後の暮らしとお金

長生きとインフレから生活を守る公的年金の強み

塚崎公義・久留米大学商学部教授
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 老後のリスクとしては、病気と貧乏と孤独が主なものでしょうが、本稿では筆者の守備範囲である貧乏のリスクについて考えてみましょう。

 現役時代に真面目に働いて、そこそこ所得もあり、貯金もし、質素に暮らしていた人が、老後の生活資金に困るようになる可能性としては、長生きとインフレが重要です。そこで、本稿では長生きとインフレのリスクについて考えてみましょう。

 長生きをすることは、良いことです。特に、健康で長生きをすることは素晴らしいことです。しかし、老後の資金のことだけを考えると、長生きはリスクなのです。現役時代に頑張って貯金しても、それを取り崩しながら老後を暮らしていれば、いつかは老後資金が底を突いてしまうからです。

 日本人は長生きです。60歳で定年になるとして、60歳時点の平均余命は男性が約23年、女性が約29年あります。しかも、医学が進歩していますから、平均余命は更に長くなると考えておいた方が良いでしょう。

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塚崎公義

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関係の仕事に従事した後、2005年に銀行を退職して久留米大学へ。「退職金貧乏 定年後の『お金』の話」「老後破産しないためのお金の教科書」「増補改訂 よくわかる日本経済入門」「世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書」「なんだ、そうなのか! 経済入門」など著書多数。