思いを伝える技術

「させていただく症候群」はまどろっこしくて逆効果

川井龍介・ジャーナリスト
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 音楽イベントなどをプロデュースするA社の中堅社員Gさんは、あるイベントの企画に関して協力関係にあるB社の数人を交えて会議を開きました。まずB社の担当者がパソコン上の画面をプロジェクターを通して映し出し、これをもとに手元でマウスを操作しながら説明をしたのですが、しばらくしてGさんはいらいらしてきました。

 というのは、この担当者が「ページをめくらさせていただく」など、なにを話すにも「〜させていただく」と…

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川井龍介

ジャーナリスト

1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。