くらし高齢化時代の相続税対策

賃貸不動産経営は家族ビジネスよりも会社組織で

広田龍介 / 税理士

 埼玉県に住むAさん(46)は4人家族。父親はもともと自前の田畑で農業をしていたが、30年ほど前、周辺の宅地開発の波に乗り、農地を転用してアパート経営への転換を進めた。今回紹介するのは、父親の賃貸事業を引き継ごうとしたAさんと、長女である姉(52)との争いである。

 Aさんは学生時代、ラグビーに熱中した。ゲーム中の接触で頭を強く打って以来、片頭痛に悩まされている。長女は精神的に不安定で、定まった仕事に就いていなかった。そこで父親は、子供たちが将来も賃料収入で生活できるよう、アパート、マンションの管理に力を注いできた。

 父親は、長女には不動産管理は難しいだろうと判断し、いずれは長男のAさんに管理を任せたいと考えていた…

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広田龍介

広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。