
ゆうちょ銀行、コンビニエンスストアの融合に向けた仕掛け人は有力システム会社だった−−。
日本郵政・ゆうちょ銀行とファミリーマートが4月5日に発表した業務提携の内容は、コンビニ現金自動受払機(ATM)、国内外の配送などの分野における「両社の経営資源を活用」である。コンビニATMは文字通り、コンビニ店舗内に設置するATM事業だ。ファミリーマートは今後、同店舗内にゆうちょ銀行ATMを順次設置していくというのが業務提携の目玉の一つである。
従来、ファミリーマートが店舗内に設置してきたのは、ATM運営会社である「イーネット」のATMである。このビジネスモデルに例外が生じたのは2013年のことだった。ファミリーマートが中堅コンビニチェーンのAM/PMを統合した際、AM/PM店舗内に設置されていた@Bank(アットバンク、三井住友銀行)のATM(約500台)を取りやめて、ゆうちょ銀行のATMに全面的に切り替えた。
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浪川攻
金融ジャーナリスト
1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。