街の文化漂う 秘蔵の宿 フォロー

広々としたギャラリーが自慢 ホテル アンテルーム 京都

稲葉なおと・紀行作家、一級建築士

素泊まり6000円(税込み)〜

 地下鉄烏丸線、京都駅から南へ一つ目と二つ目の駅、九条駅と十条駅の中間地点に建つ。

 京都の南区(京都駅以南)にはここ数年、感度の高い人が集まるホテルや店が次々とオープンしている。その先駆けとなったのが、2011年に開業したこのホテルだ。

 実際に泊まってみるまでは、そのゆとりある空間が、何よりの魅力だと思っていた。

 総客室数61室のうち49室がシングル。そう聞けば、ロビーも客室も狭い窮屈なビジネスホテルを想像する人も多いだろう。だがここは、訪れた人がエントランスを抜けたところでまず驚かされる。

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紀行作家、一級建築士

1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)