
素泊まり5500円(税込み、オフシーズン)〜
エントランスドアが開き、フロントへと足を踏み出したところで、背中からさわやかな風が通り抜ける。瞬間、またここに帰ってきたなという実感が胸にわき起こった。
一年の間にそれほど頻繁に京都に訪れているわけではない。限られた回数だからこそ、まだ見ぬホテルへ泊まってみたいと思う。けれども中に数軒、その居心地の良さから繰り返し訪ねている宿がある。ここもその一軒だ。
地下鉄烏丸線、九条駅の真上にあるこのホテルは、先週紹介したホテルとともに、京都・南区活性化の先駆けだ。本連載・第5回で紹介した「サクラテラス ザ ギャラリー」は姉妹店。こちらが“姉”にあたる。
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紀行作家、一級建築士
1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)
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