
出張で京都のホテルに泊まったとき、フロントの女性に「この近くにおそば屋さんはありませんか」と尋ねました。すると「ちょっとお待ちください」と言って彼女はその場を離れ、5、6分して戻って来るとパソコンから印刷した地図をくれました。
そば屋がどこにあるのかわかりました。が、その場所はホテルのそばで、「ホテルの前の道を渡って右に行き、最初の角を左に曲がるとすぐのところ」でした。口頭で説明してくれてもわかる場所です。
ある場所がどこにあるのか、またそこまでの道順を知りたいとき、いまはスマホなどを使って簡単に調べることができます。その分、人に直接尋ねたり、尋ねられたときに言葉で説明したりする必要が少なくなりました。
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川井龍介
ジャーナリスト
1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。