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意識高い男たちはいかに巧妙に家事から逃げるのか

藤田結子・明治大商学部教授
お兄ちゃんだよ、見える?=関口純撮影
お兄ちゃんだよ、見える?=関口純撮影

 日本の男性が家事・育児をする時間は先進諸国の中で最低水準だといわれています。国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、家事の分担割合は妻が85%、夫が15%です。フルタイム共働きでも、半数近くの家庭で妻が家事の8割以上を分担しています。

 フルタイム共働きの家庭で、週1回以上の家事をした夫の割合を示した数字があります。家事項目別に見ると、ゴミ出し(を週1回以上した夫は)53%▽食後の片づけ45%▽洗濯41%▽日常の買い物40%▽風呂洗い39%▽炊事30%▽部屋の掃除29%−−でした(2013年「第5回全国家庭動向調査」)。

 半数以上の夫が週に1回以上ゴミは出していますが、共働きでも、食事作りと掃除は約3割、洗濯、買い物、風呂洗いは約4割の夫しかやっていませんでした。

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明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。