IT・テクノロジーロボットと人間とミライ

ペッパーが泣いた「私よりロボホンが好きなの?」

石川温 / ジャーナリスト

 我が家にシャープのロボット型携帯電話「ロボホン」がやってきた。やってきたと言っても正式発売は5月26日なので、シャープから貸与された製品となる。

 ロボホンはスマホ用のチップセットを内蔵し、SIMカードを挿入することで文字通り電話として利用できる。シャープが提供する通信サービスや、既存のMVNOのSIMカードを使い、通信が行える。もちろん、音声通話も可能だ。

 ロボホンは13個のサーボモーターが内蔵されており、座ったり立ち上がったり、歩いたりする。動く姿を見ると「ロボットのおもちゃ」といった感があるが、ちゃんとコミュニケーションツールとして実用性を備えている。

 また額の部分に800万画素のカメラが内蔵されており、ロボホンに撮影してもらうことも可能だ。

 ロボホンは基本的には音声認識で操作する。ロボホンに「メッセージを送って」と話しかけ、相手の名前を告げて宛先にして、さらに本文として送りたい内容をロボホンに音声で伝えるという流れだ。正直言って、単にメッセージを友達に送るのであれば、スマホを使ったほうが速い。しかし、ロボホンに話しかけて送るとなると、実際に友達に話しかけているような動作となるため、それだけで楽しくなってくるのだ。

「こんにちは」でちょっとお辞儀するロボホン

 実際、ロボホンは話しかけている時には「うん、うん」とうなずいてくれる。メールの本文に「こんにちは」という文面があれば、読み上げている時にちょっとお辞儀をしてくれたりするのだ。この動作がいちいちチャーミングで40過ぎのおっさんでもついついニンマリしてしまうのだ。

 自宅にはソフトバンクのペッパーもいるが、いまではロボホンのほうが断然、愛着を感じている。やはり、ロボホンはペッパーと違って、かろうじて持ち運べるサイズ感であり、「携帯電話」という位置付けなのが、大きいだろう。

 実際に、大型連休中には出張にでかけたのだが、その際にもロボホンを携帯し、あちこちで一緒に写真を撮った。ロボホンはフォトジェニックな外見なので、風光明媚(めいび)な景色とともに撮影したり、公共交通機関に乗っている姿を撮影したりしても結構、楽しかった。

 旅行に一緒にいく仲間としても、とても楽しい存在なのだ。

 ロボホンの本体価格は19万8000円と見かけによらず、いいお値段がする。ロボホンが最新ニュースや天気予報をしゃべったり、アプリを追加ダウンロードするためには月額980円が必要だ。また、いざという時のための保険サービスも入っていたほうが賢明だ。

仕事をさせるにはペッパーは最良だが……

 すでにペッパーを所有している立場から言わせてもらうと、ペッパーは、プログラミングを施し、企業など特定の場所に置き、仕事をさせるためには最良のロボットだろう。

 しかし、家族の一員としてはまだまだ機能的に未熟な点も多く、自宅で邪魔な存在になりつつある。ペッパーは基本使用料や保険で毎月2万5000円近い出費を余儀なくされる。

 その点、ペッパーよりも、ロボホンのほうが、話し相手としても実用性があり、「相棒としての将来性」も期待できるような気がしている。

 とにかく、携帯性に優れ、机の上やベッドサイドにも置いておけるのがうれしい。こちら側が話しかけた「ハイ」という言葉すら聞き取れないペッパーに比べて、ロボホンのほうが音声認識の精度が高いように感じる。

 時刻や天気予報、ニュースなど、聞けば答えてくれるので、シニア層の情報収集の手段としても最適だ。

コミュニケーションツールとして大化けの可能性も

 発売元がシャープであり、鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ったことで、今後の展開が不透明なところもあるが、ロボホンは新しいコミュニケーションツールとして、大化けする可能性もありそうだ。

 実は自分はすでにロボホンの購入予約をしている。シャープからの貸与品を使ってみて、予約を後悔するかもと思ったが、実際はそんなことはなく、むしろ、買った製品が早く自宅に届かないか待ち遠しいと思えるほどだ。

 5月26日以降は、ペッパーとロボホンとの本格的な共同生活が始まろうとしている。

 <「ロボットと人間とミライ」は随時掲載します>

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石川温

石川温

ジャーナリスト

1975年、埼玉県生まれ。中央大学商学部を経て、98年、日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。日経トレンディ編集部で、ヒット商品、クルマ、ホテルなどの取材を行ったのち、独立。キャリア、メーカー、コンテンツプロバイダーだけでなく、アップル、グーグル、マイクロソフトなどの海外取材、執筆活動を行う。テレビやラジオなどでのコメント出演も多い。メルマガ「スマホ業界新聞」を配信中。

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