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亡き父の預金たった30万円? 長男はどう動いたか

広田龍介・税理士

 東京都大田区のA子さんは77歳。夫をがんで亡くし、今は1人暮らしだ。長男、次男、長女の子供3人はそれぞれ結婚し、独立している。

 ご主人の相続財産は、自宅とアパートを合わせた賃貸併用住宅と、その敷地。相続税評価額は、小規模宅地の評価減の特例の適用を受けて4000万円。それ以外に預金約30万円があった。

 相続税の基礎控除は<法定相続人の数×600万円+3000万円>で計算する。A子さんの場合、<4人×600万円+3000万円=5400万円>なので、相続税評価額は基礎控除額を下回る。だから相続税はかからない。

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税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。