消費者に刺さるモノづくり

スズキと「業販店」にのしかかる後継者問題の深刻度

永井隆・ジャーナリスト
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スズキの入社式で、新入社員と握手を交わす鈴木修会長(左から3人目)ら=2016年4月1日、竹田直人撮影
スズキの入社式で、新入社員と握手を交わす鈴木修会長(左から3人目)ら=2016年4月1日、竹田直人撮影

 「軽自動車が、白物家電の二の舞いになる」「秋葉原で軽自動車を売っているといううわさがある」。軽自動車大手、スズキの鈴木修会長は、このように話した。軽自動車の「自社届出」が相次ぎ、安価な未使用車があふれることで、軽自動車そのものの価値喪失を招いたという指摘だ。

 高度成長期なら、量を追う手法も有効だったろう。しかしいまは、高齢化が進み人口は減っている。とりわけ、地方ほど高齢化率は高く、過疎化が進む。軽自動車は地方が主戦場だ。

 鈴木会長が5月10日の決算会見で語った「シェアにはこだわらない」という方針転換の背景には、地方を取り巻く高齢化と過疎化という問題がある。さらに、スズキが国内販売の8割を依存する「業販店」と呼ばれる販売店の後継者難があった

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永井隆

ジャーナリスト

1958年群馬県桐生市生まれ。明治大学卒。東京タイムズ記者を経て、92年にフリージャーナリストとして独立。「サントリー対キリン」(日本経済新聞出版社)など著書多数。