高齢化時代の相続税対策 フォロー

法人で土地を買い取り“争族”を回避した家族の話

広田龍介・税理士

 東京都内に住むA男さん(74)は最近、家族で共有している土地建物の権利調整に着手した。

 A男さんと妻(72)、長男(50)、長女(48)、次女(45)の5人が5分の1ずつ共有する、先代から相続した23区内の土地だ。面積は約600平方メートル。相続対策のためと、将来、子供たちの役に立つようにと、先代が遺言書で分けたものだ。

 今から15年前、区がこの土地に着目し、高齢者向け集合住宅建設を持ち掛けてきた。建設には補助金が出て、しかも区が一括で借り上げる条件が示された。

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税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。