大阪ガスのグループディスカッションに参加するため受付に向かう学生たち(手前)=大阪市中央区で6月1日、川平愛撮影
大阪ガスのグループディスカッションに参加するため受付に向かう学生たち(手前)=大阪市中央区で6月1日、川平愛撮影

スキル・キャリア新しゅうかつ日記2016

憧れ女子アナになる前に人生最大の選択

内山勢 / 毎日新聞編集委員

 超難関アナウンサー職に挑んだ水谷英理奈さん(23)=東京の私大文系学部4年=の就活は、その後どうなっただろうか。

 3年生でアナウンサーを目指し、スクールにも通ったが、入社試験での原稿読みは、1、2年生のときからスクールに通うライバルにかなわない。しかも、彼女たちは大学ミスコンに入賞するような美人ばかり。落ち込んでも仕方がないと開き直り、「元気にハキハキ」の無手勝流で臨んだ。

 東京のキー局、大阪準キー局の何社かで1次面接に進めた。しかし、壁は厚く、全滅。次に各地のローカル局約15社を受けた。「キー局、準キー局の選考でいろいろ失敗し、学ぶことがたくさんありました。キー局、準キー局の試験に育てられ、ローカル局で成長させてもらった感じです」

 とうとう、ある地方局で「内々定」をもらった。無手勝流が通じた。憧れのアナウンサー職に就ける! 実感がじわじわとこみ上げてきた、うれしかった。

控え室からグループ面接の会場へ向かう就活生たち=東京都墨田区で6月1日、喜屋武真之介撮影
控え室からグループ面接の会場へ向かう就活生たち=東京都墨田区で6月1日、喜屋武真之介撮影

「他局は断ります」と元気よく言ってしまったが……

 局の幹部が「他の局はどうするんですか? 辞退するんですよね?」と尋ねてきた。会社としても一番気になるところだろう。これがうわさの囲い込みか、と思いながら、「はい。断ります!」と、元気に答えた。

 ところが、受けていたもう一つの地方局で、内々定が出てしまった。最後まで自分の可能性を試したいと思い、キープしていたのだ。しかもこちらの方が志望度が高い。さあ、困った。

 家族は「すごい! おめでとう。夢がかなってよかったね」と無邪気に喜んでくれている。最初の局の幹部には、他局を辞退すると言ってしまった。苦しかった就活の最後の最後に、一番難しい選択をしなければならなくなった。

 <「新しゅうかつ日記2016」は毎週土曜、日曜の掲載です>

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内山勢

内山勢

毎日新聞編集委員

1983年、毎日新聞社入社。山形支局を振り出しに、週刊「サンデー毎日」、大阪本社社会部、東京経済部各記者、週刊エコノミスト編集委員、BS11プロデューサーなどを経て、2010年4月から、毎日新聞夕刊紙面の「キャンパる」編集長兼編集編成局編集委員兼「教育と新聞」推進本部委員。宇都宮大学客員教授。

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