「この人、この土地」だから生み出せる一品 フォロー

南の海で育つ「ぷちぷち食感」沖縄・海ぶどうの輝き

小高朋子・旅食ライター・カメラマン
ぷちぷち食感の「海ん道」の海ぶどう=小高朋子撮影
ぷちぷち食感の「海ん道」の海ぶどう=小高朋子撮影

 引き締まった粒に、ぷちぷち弾ける食感。ほのかに広がる磯の香りも独特だ。取れ立ての「海ぶどう」は、沖縄のまぶしい太陽の光を受けて、キラキラと輝いていた。直径1〜2ミリほどの緑色の粒とブドウの房のような形から、「グリーンキャビア」ともよばれる海藻の一種だ。

海ぶどうの養殖場は「海の畑」

 沖縄県糸満市真栄里(まえざと)。サンゴに囲まれた透明度の高い海が目の前に広がる。サトウキビ畑の中に、「UMiNCHi(海ん道)」と名付けられた真っ白な建物がある。その建物の裏手の土地が、海ぶどうの養殖場だ。縦2メートル、横4メートルほどの水槽が120槽並んでいる。

 実は養殖の海ぶどうは、海の生けすではなく、陸に設けた水槽の中で育てる。ちょうど漁業と農業の中間、「海の畑」といった印象だ。

この記事は有料記事です。

残り1812文字(全文2148文字)

旅食ライター・カメラマン

1982年、神奈川県生まれ。アパレル業界、映像製作会社を経て、フリーランスに。持続可能なモノづくりの可能性を求めて各地を巡り、地域の食文化、工芸品、産業などを取材し、写真、映像も用いてその魅力を紹介している。現在、農業者向けのビジネススクール(オンラインアグリビジネススクール)にかかわり、各地の農業現場の取材を担当。旅と、おいしい食べものと日本酒が何よりも好き。