育児サバイバル

30代共働き部下を「使えない」と責めるバブル上司の罪

藤田結子・明治大商学部教授
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 現在、子どもがいる30代夫婦の世帯では、5割以上が共働きです。20年ほど前、子どもがいる30代夫婦で共働きだったのは2〜3割でした(2012年、1997年「就業構造基本調査」)。

 今の50代が子育て真っ最中のころ、夫の給料は家族を養う程度にはあり、専業主婦の妻が働く夫を全面的にサポートしていました。そのせいか、今日の共働きの切実な状況を理解できない上司に、若手社員が悩まされるケースも多いようです。

 東京に本社がある大企業O社。山田部長(50代半ば、男性)の妻は専業主婦で、子どもが2人います。大学生の子どもに教育費がかかるため、山田部長はランチ代や飲み代を節約しています。

 新生銀行が毎年実施している「サラリーマンのお小遣い調査」(15年)によれば、既婚で子どものいる男性会社員の昼食代は、共働きで566円、専業主婦の妻を持つ人で544円。月のお小遣い額(昼食代込み)は共働きが3万1620円、妻が専業主婦の場合は2万7006円です。妻が専業主婦の方がやや少なめです。

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。