
国際関係において圧倒的なリーダー的立場の国家が不在となった現代。その状況を分析し、「Gゼロの時代」が到来したと評しているのが、国際政治・地政学に関するコンサルティング企業、ユーラシア・グループ代表のイアン・ブレマーだ。
いまや同社のクライアントの多くが日本企業だと聞く。彼が来日する際に多くのビジネスパーソンが講演会会場に詰め掛け、固唾(かたず)をのんで見つめる。その前で生き生きと世界情勢を解説する様は、ビジネス界のロックスターさながらといったところか。
これは日本企業とビジネスパーソンが、地政学の重要性に突然目覚めたからではなかろう。むしろ世界の構造が大きく変化する不確実性の時代において、意思決定の羅針盤を誰もが必死に探している、その表れなのだと思う。
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