社会・カルチャーベストセラーを歩く

「会長 島耕作」が挑む財界の悪弊と経済の超難問

重里徹也 / 文芸評論家、聖徳大教授

 マンガの楽しみにはいろいろある。そのうちの一つが、絵と言葉で物語を楽しみながら知識を得たり、社会や人生の問題について考えたりすることだ。

 あるいはそれは、2次的な魅力かもしれない。しかし、物語を通すと歴史の実態や社会の状況も、経済の問題や思想の核心も、スンナリ頭に入ってくる。深い表現力を持つ日本のマンガは、情報を伝えるツールとしても、抜群に優れているのではないだろうか。

 そして私たち日本人は、マンガで考えや情報を伝えたり、伝えられたりするのが得意なのではないか。「会長…

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重里徹也

重里徹也

文芸評論家、聖徳大教授

1957年、大阪市生まれ。大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)ロシア語学科卒。82年、毎日新聞に入社。東京本社学芸部長、論説委員などを歴任。2015年春から聖徳大教授。著書に「文学館への旅」(毎日新聞社)、共著に「村上春樹で世界を読む」(祥伝社) などがある。