職場のハラスメントどう防ぐ?

アルバイトに集団欠勤された居酒屋店長の問題点

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 飲食店を複数店舗経営するA社長に、ある店舗(居酒屋)の店長から連絡が入りました。「社長! すみません、今日店を開けることができません」

 詳しく事情を聴くと、アルバイトが誰も出勤してこないと言います。前日にリーダー格のアルバイト店員から受け取った「要望書」に対処しなかったことへの報復行動だったのです。

 同店舗は、店長と料理人の1人を除き、アルバイトで運営していました。店長は、アルバイトからたたき上げで社員登用された人物で、A社長が多店舗展開に乗り出した際に店長に抜てきしました。店長はその期待に売り上げで応えようと、ほとんど休みを取らずに働き続けるタイプでした。

 店舗でのアルバイト経験のある店長は、もちろんアルバイトの仕事内容を熟知しています。「お客様が帰ったらすぐにテーブルを片づける」「飲み物がなくなっているお客様には積極的に声をかける」など、事細かに部下のアルバイト店員たちに指示を出していました。

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/