海外特派員リポート

「EUからの英独立」ノスタルジーに翻弄される若者

坂井隆之・毎日新聞経済部副部長(元ロンドン特派員)
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EU残留を訴えていたキャメロン英首相(右)と離脱派の中心人物だったボリス・ジョンソン氏=2010年4月撮影
EU残留を訴えていたキャメロン英首相(右)と離脱派の中心人物だったボリス・ジョンソン氏=2010年4月撮影

 英国の欧州連合(EU)離脱決定後、世界の金融市場の乱高下が続き、金融システム不安が広がる兆しが出てきた。英国では不動産ファンドが相次いで解約を停止し、英国の経済の結びつきの強いイタリアでは銀行の株価が急落している。円・ドルの外国為替相場も一時1ドル=99円台をつけるなど、不安定な動きを続けている。

 毎日新聞欧州総局(ロンドン)で英国のEU離脱をめぐる国民投票をつぶさに取材した坂井隆之記者は、国民投票の開票が進む最中でも、まさかEU離脱が過半数を取るとは思っていなかったと話す。坂井記者に、「なぜ英国はEU離脱を選んだのか」を聞いた。

 −−6月23日の英国民投票の投開票日、「EU離脱」が多数になりつつあったとき、どう思いながら開票の報道を見ていましたか。「EU離脱」に決まった時、正直どう思いましたか。

 坂井隆之 開票日当日の夜、私はロンドン大政治経済学院(LSE)が主催する国民投票に関するセミナーを取材していました。このイベントは、LSEの研究者によるシンポジウムと開票速報のパブリックビューイングを兼ねた同大学恒例のイベントです。私は開票速報を横目で見ながら、翌日の新聞紙面に備え、国民投票に関する専門家の見解を取材していました。

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坂井隆之

毎日新聞経済部副部長(元ロンドン特派員)

1973年、京都市生まれ。広島大学大学院修了。98年毎日新聞社入社。千葉支局を経て、2003年から経済部で日銀、金融庁、財務省などを担当。12年~16年、欧州総局(ロンドン)特派員として、欧州、中東、ロシア、アフリカの経済ニュースをカバーした。共著に「AIが変えるお金の未来」(文春新書)など。