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都知事選主要3候補が掲げる待機児童公約は?

藤田結子・明治大商学部教授

 東京都知事選(7月31日投開票)の争点の一つに、待機児童問題があります。東京都が7月19日に発表した4月1日時点の待機児童は、国基準で8466人。前年同期から652人も増えました。杉並区や世田谷区の保育園開設反対運動もあり、問題は全国的に注目を集めています。

待機児童問題は働く母親だけの問題じゃない

 杉並区は区立公園内に保育園建設を決めたため、反対の声が上がりました。待機児童数全国1位の世田谷区でも、住宅地の真ん中に保育園開設を提案したところ、近隣住民が反対の署名活動を始めました。

 「公園の敷地を利用したら、子どもの遊び場がなくなる」「公園を保育園にするのは子育てに関してプラマイゼロ」(杉並区)、「交通量増加で住環境が悪くなる」(世田谷区)という訴えです。

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明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。