丹羽宇一郎の「商売道」

穀物相場500万ドル損失から学んだ「現場第一」

丹羽宇一郎・元伊藤忠商事社長
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 伊藤忠商事に入社して間もない頃、ニューヨーク駐在のあいさつに出かけた折、私に瀬島龍三さん(伊藤忠商事元会長)が、「もし問題が起きたら、すぐ飛行機に乗って現地に行きなさい。いくらかかってもよい。それで文句を言われるなら、俺に言ってこい」と商社マンとして、1次情報を得ることの重要さを20代であった私に教えてくれたのです。

 日本軍参謀であった瀬島さんの自戒的教訓としての「すべては現場に宿る。1次情報を大事にせよ」の言葉で…

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丹羽宇一郎

元伊藤忠商事社長

1939年生まれ。名古屋大学卒業後、伊藤忠商事に入社。社長、会長を歴任。社長時代の2000年3月期決算で3950億円の不良資産一括処理を決断し、翌年の決算で同社史上最高益をあげる。10年から約2年半、民間出身で初の中国大使を務める。著書に「人類と地球の大問題」「人を育てよ」「危機を突破する力」などがある。