激動のシリコンバレー

ハードウエア生産に回帰する米シリコンバレーの実力

遠藤吉紀・創業支援アドバイザー
  • 文字
  • 印刷
米シリコンバレーの町工場=遠藤吉紀撮影
米シリコンバレーの町工場=遠藤吉紀撮影

 米カリフォルニア州サンフランシスコの南部一帯シリコンバレーを、「IT産業のメッカ」とイメージする人も多いだろう。しかし、実は2000社を超える中小町工場が集積する「ものづくり」の一大拠点でもある。世界の最先端技術が集まる街では、中小町工場にも相応の技術力が求められる。シリコンバレーに30年近く在住し、製造業の米国進出のアドバイザーを務める遠藤吉紀さんが、現地製造業の潮流をリポートする。

 3Dプリンターが低価格になって普及し、自分のアイデアを手軽に形にすることができるようになったことで3年ほど前に始まった「メーカーズブーム」以降、シリコンバレーのハードウエア化が再び隆盛を極めている。一般的には、IT産業の一大拠点というイメージが強いが、もともとは半導体開発から製造、そしてそれをつかさどる製造設備メーカーが集結する一大製造拠点だった。

 1980年代には、米アップルコンピュータをはじめ、多くの産業機器がここで生産されていた。80年代後半になると、製品のデジタル化による生産プロセスの簡素化、生産コスト削減のために、多くの製造業はアジアに生産拠点を移し、シリコンバレーは主に製品のマーケティングとR&D(研究開発)が中心となった。

この記事は有料記事です。

残り1445文字(全文1963文字)

遠藤吉紀

創業支援アドバイザー

米Beans International Corp社長。1961年、神奈川県生まれ。88年に渡米。日本企業駐在員を10年間務めた後、独立。以降、日本の中小企業の商材をアメリカで紹介・販売する傍ら、製造業の米国進出のアドバイザーも務めている。2010年から日本の中小製造業のグローバル化を後押しする活動を展開し、講演活動や経済産業省などのシリコンバレー視察研修をサポート。独立行政法人中小企業基盤整備機構国際化支援アドバイザー、JETROサンフランシスコ、シリコンバレーのアドバイザーを兼任。