くらし下流化ニッポンの処方箋

失職寸前“うつ28歳女性”を救った傷病手当金

藤田孝典 / NPO法人ほっとプラス代表理事

傷病手当金(1)

 病気やけがが思わぬ休職、離職につながり、経済的困窮を招くことがあります。そんな時、健康保険でカバーされる「傷病手当金」制度が使えます。

 「生活保護申請で「すみません」と頭を下げ続ける24歳」でも紹介しました。あまり知られていないこの制度の仕組みと使い方を紹介します。

朝起きられず、会社に行けなくなった

 ある金曜日の朝、美大を卒業し、服飾デザイン会社で働く女性(28)から相談電話がありました。

 「月曜日の朝、突然起きられなくなって、会社に行けなくて……休んで5日目です。来週も行けなさそう。こ…

この記事は有料記事です。

残り1948文字(全文2203文字)

藤田孝典

藤田孝典

NPO法人ほっとプラス代表理事

1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事、聖学院大学人間福祉学部客員准教授、反貧困ネットワーク埼玉代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員。ソーシャルワーカーとして現場で生活困窮者支援をしながら、生活保護や貧困問題への対策を積極的に提言している。著書に「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版)「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」「ひとりも殺させない」「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」など。