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モダンデザインと当たり前の接客 横浜「ホテルプラム」

稲葉なおと・紀行作家、一級建築士

素泊まり4590円(税込み)〜

 JR横浜駅から徒歩6分。うだるような暑い日に訪れたホテルのチェックインは、とても印象的だった。

 提示されたゲストカードには記載事項がすべて明記されている。確認してサインをすれば手続きは終了だ。

 どうぞ、と声をかけられ脇を見ると、別のスタッフが笑顔でおしぼりを差し出していた。似た経験は以前に何度もある。だがスタッフがカウンターからわざわざ出て手渡しされたのも、トレーに張り付くほど冷えたおしぼりも初めてだった。

 カードキーを受けとる際にWi-Fiのパスワードの記載について説明される。ここでまた、なるほどと納得する。パスワードがわからず、客室からフロントに電話した苦い経験が何度もあるからだ。

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紀行作家、一級建築士

1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)