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英オックスフォード大の学生はEU残留派が多かった

坂井隆之・社長室経営企画ユニット
EUの融資制度を利用して改修されたオックスフォード大の資料庫=2016年6月17日、坂井隆之撮影
EUの融資制度を利用して改修されたオックスフォード大の資料庫=2016年6月17日、坂井隆之撮影

 欧州連合(EU)離脱派が52%を獲得して小差で勝利した英国の国民投票。文字通り国論を二分したこの間の論争を、この国の将来を担う「エリートの卵」たちはどのように考え、どう選択したのか。その一端を知るため、名門オックスフォード大学のキャンパスで、投票日直前に取材した若者たちの声を紹介したい。

 「政治家の議論は、根拠の無い数字や、お互いの非難ばかりで、あまりに質が低い。(離脱派リーダー格の)ボリス・ジョンソンは首相になりたいだけで、自分の言っていることの半分も本心では信じていないのでは。経済の議論も正面から行われていない」

 こう不満を語ったのは、欧州現代史を学ぶバーニー・ウィリスさん(23)。残留支持という彼は「移民は経済にとってプラスだし、欧州のどこにでも行って働けるというのは、自分にとってとても魅力的だ」と話す。一方で、「(EUの執行機関である)欧州委員会の官僚機構は非効率で、競争を制限する規制が多すぎる」とEUの組織あり方には批判的だ。

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社長室経営企画ユニット

1998年入社。千葉支局を経て、2003年から経済部で日銀、金融庁、財務省などを担当。12~16年、欧州総局特派員として、欧州、中東、ロシア、アフリカの経済ニュースをカバーした。共著に「AIが変えるお金の未来」。