スキル・キャリア職場のハラスメントどう防ぐ?

妊娠した介護スタッフと同僚との亀裂を防ぐには

井寄奈美 / 特定社会保険労務士

 Aさんは、訪問介護事業所に勤務する女性です。他のスタッフとチームを組んで、利用者の入浴介助などの訪問介護業務をこなしていました。あるとき、同じチームのBさんの妊娠がわかりました。

スタッフの妊娠で業務負担が増した同僚

 介護現場は常に人手不足と言われますが、Aさんの事業所もその例に漏れません。営業所長は、Bさんには「無理しない範囲で、できるだけ出産ギリギリまで働いてほしい。担当業務は配慮するから」と話しました。そして、Aさんを含むチームのスタッフには「Bさんは妊娠しているので、入浴補助や車いすの運搬、歩行補助などの業務はさせないようにして、しばらくはBさん以外でそれらの業務をしてほしい」と伝えました。

 チームのスタッフは5人で、出産経験がある女性が大半でした。初めて妊娠したBさんを、「体に負担がかか…

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井寄奈美

井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/