政治・経済丹羽宇一郎の「商売道」

若者の教育にお金をかけないと日本は滅びる

丹羽宇一郎 / 元伊藤忠商事社長

 いま非正規社員が2000万人にも上ります。それらの人々は結婚もできず、結婚したとしても、子供に高等教育を受けさせられない人が多くなっています。経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかで、義務教育への政府の支出の平均は約90%です。日本は93%くらいなので、平均よりやや高い程度です。

 しかし、問題は大学などの高等教育です。先進国平均で70%ほど政府が教育費を出しています。日本は34%程度です。ここに大きな差が出てしまいます。

 裕福な人は良いのですが、本当に貧乏な人は、もう高等教育を子供に受けさせられません。高等教育に対して…

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丹羽宇一郎

丹羽宇一郎

元伊藤忠商事社長

1939年生まれ。名古屋大学卒業後、伊藤忠商事に入社。社長、会長を歴任。社長時代の2000年3月期決算で3950億円の不良資産一括処理を決断し、翌年の決算で同社史上最高益をあげる。10年から約2年半、民間出身で初の中国大使を務める。著書に「人類と地球の大問題」「人を育てよ」「危機を突破する力」などがある。