街の文化漂う 秘蔵の宿 フォロー

眠らない人のためのホテル・ザ・エム インソムニア赤坂

稲葉なおと・紀行作家、一級建築士

素泊まり8000円(税込み)〜

 シンプルさの中に、独自の特長がいくつも光るホテルだ。共用空間にも、そして客室にも。

 赤坂駅から徒歩2分。総客室数は66室。

 ロビーと一体化したカフェは、「いつでも無料でいれ立てのコーヒーが飲めます」という説明で、想像していたよりも、ずっと本格的なものだった。

 ロビーに機械を置き、ひきたてのコーヒーを無料サービスするホテルはずいぶんと増えた。中にはソフトドリンクのサーバーまで置くホテルもある。

 だがこのホテルの無料ドリンクは、そういった機械で勝手にどうぞというサービスとはまったく異なる。専任のスタッフが注文を受けてから一杯ずついれる本物のカフェなのだ。

この記事は有料記事です。

残り1522文字(全文1816文字)

紀行作家、一級建築士

1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)